【ABテスト事例】鉄板施策はあるのか?失敗事例から学ぶ仮説検証の重要性について
2021年4月16日


突然ですが、Webページの改修案はどのように決めていますか?

「ページ遷移を増やすには、遷移ボタンを増やしておけば大丈夫!」
「フォームは短く簡単に見せた方がいい!」

など、自分なりの鉄板施策のパターンを持っていたりしませんか。

実はその先入観、想定外の結果をもたらす可能性があります。

今回は、先入観から勝ちパターンと予想していたものの、
実際にテストで検証してみたら惨敗してしまった事例をご紹介します。

目次

テストの背景
└フォームの項目が多く見えていることが課題?
 施策内容
 └他社事例を参考にフォームを短く見せる施策を実施!
 結果
 └鉄板施策として期待していたものの惨敗という結果に
 考察
 └スクロール率やFVまで戻る率を分析し、敗因について考察
ご質問やお問い合わせに関して


テストの背景

改善を行うページは、とある物件仲介サイトの問合せフォームです。
フォームの構造は、問い合わせの理由を選択する項目が3つと、
フリーテキスト記入欄が並んでいます。

<課題>

このフォームの課題を探していると、入力項目が多く見えてしまうように気づきました。
入力項目が多く見えてしまうことで、入力が面倒に感じてしまいCVRが低下している可能性があると考えました。

<仮説>

フォームの改善案を考えるにあたって、他社事例を参考にしました。
入力フォームでは、フォームの見た目を短く見せることでユーザーの心理的ハードルが軽減し、項目への入力率が改善する傾向にあるということがわかっていました。
それに当てはめ、今回のフォームに関しても、短く見せることでユーザーの心理的ハードルが軽減しCVRを改善できるのではないか?という仮説のもと、施策を実施しました。


施策内容

フォームを短く見せる
・お問い合わせ内容の3つのチェックボックスをプルダウンに変更
・その他入力項目もプルダウン形式に変更

これまで、チェックボックスは下記を表示していました。
・物件の詳細を知りたい
・間取り図を見てみたい
・物件を見てみたい
+フリーテキスト入力欄

施策では、一番活用されている
・物件の詳細を知りたい
をデフォルト表示にし、プルダウンにまとめることでフォームを短く見せました。


 結果

CVR改善率 77.19%/統計的有意差 4%
鉄板施策として改善を期待していた施策ですが、
実際にテストを実施した結果は惨敗でした。

CVR以外の数値では、

  • 変更箇所を見たユーザーのページ下部へのスクロール率 104.12%UP
  • スクロールした後にFVまで戻る率 102.02%UP
  • ページ全体のクリック率 100.36%UP

これらの数値が共に増加していました。


考察

フォームでは短く見せることが鉄板施策だと考えていましたが、
テストパターンのフォーム内のタップ率は73.34%に減少しており、結果的にCVし難くしてしまいました。

また、下部へのスクロール率・FVまで戻る率・クリック等のアクション率が増加していたことから、ユーザーの行動に迷いが生じてしまったと推測されます。

今回の敗因は、フォームを短く見せるために問合せ項目を隠してしまったことで、問合せニーズをフォームエリアでキャッチアップできず、CVしていたはずのユーザーを回遊させてしまったことだと考えられます。

以上、先入観から勝ちパターンと予想していたものの、
実際にテストで検証してみたら惨敗してしまった事例でした。

今回勝ちの鉄板施策だと捉えていた「フォームを短くする」という方法ですが、「短くする」内容によっては、逆に悪い結果に繋がってしまう可能性があります。
本番サイト実装後にこれに気付いてしまうと、ビジネスとしての機会損失にも繋がる他、作業の手間も余分にかかってしまいますよね。
そういったことを防ぐためにも、実装前には必ずABテストで検証を行うようにしましょう。


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