【ABテスト事例】EFOだけじゃない!!ユーザーの手が止まってしまうフォーム入力項目への対処法
2021年3月5日

『WEBサイトやLPのCVRを改善したい』

『フォームの入力途中で離脱するユーザーが多いことは分かっている』

『サービスの特性上必要な情報の入力項目は削れないし、入力項目の内容を変えることもできない』

こんなお悩みはありませんか? フォームの離脱原因としてまず考えられるのは、入力項目の数です。
項目数が多いことで、入力の手間を感じたユーザーが離脱してしまうことが考えられます。
特にスマートフォンユーザーは移動しながら利用していることも考えられるため、その場で入力が終わらなさそうなものは入力し始めない、ということもあり得ます。

しかし、離脱の要因は項目数だけとは限りません。
項目内容もまたユーザーの入力率に影響してきます。

例えば、マイナンバーの入力が申込に必須の場合、マイナンバーを暗記しているユーザーは少ないと思われるので、入力するためにはマイナンバーカードか通知カードを準備してもらわなければなりません。
そうなると、準備に手間が生じ、ユーザーの入力の手を止めてしまいます。すると、離脱の要因となってしまいます。

このような課題がある時、どのようにすればCVRを改善させられるでしょうか。

フォームページにおけるEFOも一つの手段として考えられますが、今回はフォームではなく、フォームページに遷移する前段階での情報の見せ方によってCVRが上昇した事例をご紹介します。

目次

A/Bテスト改善を行った背景
└離脱が多い項目を発見し、その対処法を探る
 施策内容
 └フォーム遷移前のボタン周りに注釈を追加
 結果
 └最終CVが150%以上も改善!
 考察
 └CV意思が強いユーザーをフォームに誘導することが出来た
ご質問やお問い合わせに関して


A/Bテスト改善を行った背景

今回ご紹介するのは、とある自動車Webサービス会社のカーリースサイトでのCVR上昇事例になります。

業種:自動車Webサービス カーリース
サイトの形式:本体サイト
KGI:審査申込完了ページ遷移
KPI:審査申込フォームページ遷移、CTAボタンクリック
検証期間:25日間

こちらの事例の続きとなります。

前回事例では、CTAボタン内テキストを「審査を申込む」→「審査申込手続きに進む」に変更し、CTAボタン下に「※審査申込と同時にご契約が確定することはございません」の注釈テキストを追加したことで、CVRを改善させることができました。
このことから、フォームページ遷移前の情報の見せ方がCVRやフォーム項目入力率に影響があることが分かりました。
サイトは以下のような設計となっていました。

WebページからCV(予約完了)に至るには、各車種詳細ページに遷移し、各ページのCTAボタンからお問い合わせページに遷移し、問い合わせフォーム入力後、送信する必要があります。

<課題>

CTAボタンクリックすると、フォームに遷移して申し込み完了まで4つのステップがあります。
過去の検証からフォームでは2つの課題がありました。

  1. STEP1からSTEP2に遷移するユーザーが5%しかいないこと
  2. 免許証番号入力欄で入力率が著しく低下していること

免許証番号を覚えているというユーザーはほとんどいないと考えられることから、入力するためには一度入力の手を止めて免許証を手元に準備する手間が発生してしまいます。
一度入力の手を止めるという動作が、申込前の離脱に繋がっているのではないかと推測しました。

そこで、前回事例での気づきも踏まえた上で、以下の通り仮説を立て、施策を検証しました。

<仮説>

フォーム流入前に免許証準備を促すことで、STEP1からSTEP2への遷移率を上昇させ、CVRを上昇させることができるのではないか。


施策内容

各CTAボタン下に「※免許証番号が必要となりますので、免許証をご用意ください。」の注釈テキストを追加。


結果

テストパターン (①KGI:審査申込完了ページ遷移 改善率150.43% 有意差96%
        (②主要KPI:免許証番号入力 改善率117.88% 有意差82%)
        (③KPI:審査申込フォームSTEP1遷移 改善率93.70% 有意差6%)

③審査申し込みフォームページへの遷移率は93.7%と低下しましたが、KGIである①審査申込完了ページ遷移率が150%以上改善し、本施策の主要KPIである②免許証入力率についても117.88%改善しているテストパターン勝ちと判断しました。


考察

仮説通り、フォーム流入前に免許証準備を促すことで、フォームSTEP1からSTEP2への遷移率を上昇させることができ、CVRも改善できました。

フォームSTEP1への遷移率が低下しているのは、免許証がすぐに準備できないユーザーや、免許証を準備することに手間に感じたユーザーがCTAボタンをクリックしなくなったことが要因であると考えられます。
これらのユーザーは仮にフォームSTEP1に遷移していたとしても免許証番号の入力時点で離脱していたと思われるので、想定された結果でした。

特筆すべき点は、フォームSTEP1への遷移率が低下しているにも関わらず、フォームSTEP1内の入力項目の入力率には低下が見られず、STEP1最後の入力項目である免許証番号入力に関しては、上昇傾向が見られたことです。
これは、フォームSTEP1に流入する前に免許証の準備ができたことで、ユーザーが審査申込に対してより強い意思を持った状態で遷移し、入力を進めたのではないかと推察できます。
その結果、フォームSTEP1→STEP2の遷移率においても上昇し、その流れでKGIも上昇しました。

以上より、手間のかかる入力項目の入力率を上昇させ全体CVRを上昇させるには、フォーム流入前の時点において、事前にその情報を知らせることが、一施策として有効であると分かりました。

EFOが思ったように進まない・改善しない等有りましたら、フォーム以外のページでの情報の見せ方を変化させるのも、CVR改善につながる方法の一つかと思います。

株式会社SHIFTでは細かい分析や施策の立案、実装を連続的に実施、PDCAサイクルをしっかり回していくコンサルティングサービスも提供しております。

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